ブログ低侵襲治療の実践

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  • 2016.08.27

    麻しんに関する基礎知識のQ&A

    I-1 麻しんとはどんな病気ですか?

    麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
    麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。また、麻しんウイルスは、ヒトからヒトへ感染すると言われています。
    感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1000人に1人と言われています。
    近年はワクチンの2回接種が行われ、麻しんに感染する方の人数は減っています。

    I-2 麻しんはどうやって予防するのですか?

    麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんワクチンが有効な予防法といえるでしょう。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの予防接種をすることも効果的であると考えられています。接触後5、6日以内であればγ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易にとれる方法ではありません。詳しくは、かかりつけの医師とご相談ください。
    次項でも述べるように、最近は成人の麻しん患者の割合が増加しています。定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴や接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。

    I-3  近年の麻しんの流行はどのような状況ですか?

    麻しんは毎年春から初夏にかけて流行が見られます。過去5年の推移を見ると、平成19・20年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、平成20年より5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目の麻しんワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、平成21年以降10~20代の患者数は激減しました。患者発生の中心は0~1歳となった一方で、20歳以上の成人例の割合も増加しています。
    またウイルス分離・検出状況からは平成22年11月以降は海外由来型のみであり、平成19・20年に国内で大流行の原因となった遺伝子型D5は見られません。
    平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。
    麻しんの流行状況等に関する情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページで確認することができます。国立感染症研究所感染症情報センターのホームページアドレスは、( http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html)です。

    I-4 なぜ、平成19・20年に10代から20代の人を中心に流行したのですか?

    かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。しかし、麻しんワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。
    10代から20代の人たちの中には、今まで一度も麻しんの予防接種を受けていない人がいます。そのうえ、そもそも予防接種は、一度で十分な免疫が獲得できるとは限らず、麻しんワクチンを一回接種しても、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。そのような人達が蓄積していたものと考えられています。
    さらに、麻しんワクチンの接種率の上昇に伴って、麻しんの患者数が減り、麻しんウイルスにさらされる機会が減少しました。そのため、幼少時にワクチンを1回のみ接種していた当時の10代から20代の人は免疫が強化されておらず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ている人がいたことも原因の一つと考えられています。
    Ⅰ-3で述べられているように、平成21年以降の10~20代の麻しんは激減し、患者発生の動向は変化しています。

    I-5 妊娠しているのですが麻しんの流行が心配です。どうしたらよいでしょうか?

    妊娠中に麻しんに罹ると流産や早産を起こす可能性があります。 妊娠前であれば未接種・未罹患の場合、ワクチン接種を受けることを検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、麻しん流行時には外出を避け、人込みに近づかないようにするなどの注意が必要です。また、麻しん流行時に、同居者に麻しんに罹る可能性の高い方(例えば麻しんワクチンの2回接種を完了していない者で、医療従事者や教育関係者など麻しんウイルスに曝露する可能性が高い者など)がおられる場合はワクチン接種等の対応についてかかりつけの医師にご相談ください。

    I-6 外国で麻しんになると大変なのですか?

    特に麻しんの発生がない、あるいは非常に少ない国・地域では、滞在中に麻しんを発症すると、感染の拡大防止のため、発症した本人の移動制限だけでなく、同行者の移動も厳しく制限されることがあります。

    II 予防接種について

    II―1 予防接種はどれくらいの効果があるのですか。副反応はあるのですか?

    麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった5%未満の人に免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、2回目のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の幼児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種に導入されています。
    1回目のワクチン接種後の反応として最も多く見られるのは発熱です。接種後1週間前後に最も頻度が高いですが、接種して2週間以内に発熱を認める人が約13%います。その他には、接種後1週間前後に発しんを認める人が数%います。アレルギー反応としてじんま疹を認めた方が約3%、また発熱に伴うけいれんが約0.3%に見られます。2回目の接種では接種局所の反応が見られる場合がありますが、発熱、発しんの頻度は極めて低いのが現状です。稀な副反応として、脳炎・脳症が100万~150万人に1人以下の頻度で報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。
    なお、麻しん含有ワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。

    II-2  過去に麻しんに罹ったことがあるのですが予防接種を受けるべきでしょうか?

    今まで麻しんに罹ったことが確実である場合は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。しかし、麻しんかどうか明らかでない場合はかかりつけの医師にご相談ください。たとえ罹ったことがある人がワクチン接種をしても副反応は増強しません。
    もし、麻しん又は風しんの片方に罹ったことがあっても、他方には罹っていない場合、定期接種対象者は麻しん風しん混合ワクチンの接種を定期として受けることができます。

    II-3 ワクチン接種を受けた方が良いのはどのような人ですか?

    定期接種の対象年齢の方々(1歳児、小学校入学前1年間の幼児、中学1年生、高校3年生相当年齢の人)は、積極的勧奨の対象ですが、定期接種の時期にない方で、「麻しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は、かかりつけの医師にご相談ください。
    平成2年4月2日以降に生まれた方は、定期接種として2回の麻しん含有ワクチンを受けることになりますが、それ以前に生まれた方は、1回のワクチン接種のみの場合が多いと思います。医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、麻しんに罹るリスクが高い方や麻しんに罹ることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。

    II-4 麻しんの予防接種を受けるのに、単独の麻しんワクチンの替わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?

    麻しんの予防対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。
    また、麻しんワクチンの替わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ風しんの予防にも繋がる利点があります。
    ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。おなかの赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
    また、麻しんの単独ワクチン、風しんの単独ワクチンの接種に当たっても、妊娠している方は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。

    『感染症エクスプレス@厚労省』

  • 2016.08.16

    MRI検査を受けらる方

    リラックスして検査を受けていただけるよう

    検査中にBGMを流しています。

    当日お気に入りのCDをお持ちいただければ
    検査中BGMとして流させていただきます。

    但しノリノリになって動かないようにだけお願いしますね。

  • 2016.08.12

    ◆「おたふくかぜ」が流行っています。◆

    ◆「おたふくかぜ」が流行っています。◆
    おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、通常2~3週間程度の潜伏期間を経て
    発症し、片側または両側の唾液腺(耳下腺が最も多い)が全体的に腫れ、
    しばしば発熱を呈します。有効な抗ウイルス薬は現時点ではありませんが、
    通常は発症しても1~2週間程度で軽快します。

    しかし、以下の2点を、是非知っておいて頂きたいと思います。
    ①無菌性髄膜炎、髄膜脳炎、難聴(永続的)、睾丸炎、卵巣炎、膵炎
    などの合併症を来すことがある。
    ②おたふくかぜを発症する数日前からウイルスが排出される。

    今、おたふくかぜの報告数は、5年ぶりに高い水準で推移しています。
    さらなる流行を防ぐには、予防が最も重要であり、おたふくかぜワクチンの接種
    (1歳以上で)が重要な手段です。特に集団生活に入る前に、ワクチン接種で
    あらかじめ予防しておくことが、現在取り得る最も効果的な予防法です。

    【感染症エクスプレス@厚労省】

  • 2016.08.05

    ◆夏風邪 ヘルパンギーナが流行っています◆

    夏風邪は主に、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)
    の3種類に分類されます。この中でも、全国的にヘルパンギーナが流行
    しています。

    ヘルパンギーナは、主に乳幼児が罹患する疾患ですが、大人にも罹患
    します。
    ウイルス性ですので抗菌薬は効きませんし、ワクチンもありません。
    そのため、感染予防が重要になります。感染者との濃厚な接触を避け、
    手洗い・うがいを徹底しましょう。

    ヘルパンギーナの由来は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の
    炎症(アンギーナ)」であり、その名の通り、熱と口腔粘膜に水疱性の
    発疹があらわれることを特徴とした急性の「ウイルス性咽頭炎」です。

    小児では発熱時に熱性けいれんを伴うこともあります。また、特に乳
    児では経口摂取が不良となった結果、脱水症に陥ることや、時に髄膜炎
    や心筋炎など重症化することもあるため、注意が必要です。

    【感染症エクスプレス@厚労省】